還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

老いの心得

老人を演じられる俳優が減り、老人が承認されない社会になった

私は、特別演劇好きでも映画好きでもありません。 そんな私でも、是枝監督による「万引き家族」が先日のカンヌ国際映画祭でパルムドール賞に輝いたニュースには、心から拍手を送りました。 是枝監督の作品といえば、樹木希林さん。 圧倒的な存在感、独特の空…

子どもの人生を台無しにして生きる最晩年は幸せか?

昨日Jennyさんがご紹介くださったNHKスペシャル「ミッシングワーカー」。 さっそく視聴しました。 www.jennyjp.win 40~50大歳代の独身の働き盛りの方が、親の介護のために離職した後、復職できずに経済的な困窮に陥るケースが急増しているとのこと。 求職活…

子世代に介護の負担を背負わせないで逝きたい

朝丘雪路さんがお亡くなりになりましたね。 何とも言えない華やかで、お育ちの良さがしのばれるような立ち振る舞い。 好きな女優さんの一人でした。 アルツハイマー型認知症を患っておられとは。 最後の日々をご自宅で過ごされたとのこと。 奥様を看取った津…

エレガントなシニアに出会う。

昨日、無事にギプス生活2週目に突入というわけで、整形外科に受診してきました。 私の通う整形外科クリニックは、地元のお年寄り御用達。 リハビリに励む高齢者で常に大賑わいです。 首、肩、腰、膝、足首に不調を抱えるお年寄りが、牽引やホットパック、マ…

失うことにタフであれ。

昨日、ネットで、83歳の男性が、自宅兼工場を放火し、全焼させたというニュースが報じられていました。 放火する直前、「運転免許証の返納を巡り、家族と口論になった」と話していたということで、警察は動機などを詳しく調べているとのこと。 奥様が軽い…

何を言われようと生きていく父。自分の30年後を考える。

先日から始まった父の元への通い介護。 「社友会はどうだった?」 そんな挨拶から始まりました。 やはり今年の社友会も、父が最高齢だったとのこと。 「もう、来年は、引退だな」 そんな予期せぬ一言を呟いた父。 「そう?元気でいたら、行ってきたらいいの…

年寄りはメンドクサイ。そう思われない人とのつながり方

そろそろ桜も散り始めました。 昨日は、友人たちとお花見をかねて桜のスケッチ。 その後、ランチをご一緒しました。 ほぼ同年配の友人は、やはりお母様が有料老人ホームに入居されています。 「どう?お母さん・・」そんな問いかけに、 「母親は落ち着いてる…

退職して30年。気持ちを会社に置いたまま老いた父。娘は「今」を生きたいと思います。

「社友会」、ご存知でしょうか? 一言で言うと、会社のOB、OG会です。 父は、とある会社に40年弱勤務し、定年を迎えて30年が経とうとしています。 その父の年に一度の楽しみは、社友会の集まり。 社屋で、会社の卒業生たちが集い、懇親パーティーが開かれま…

オーバー60は全身土砂崩れ?平凡な毎日を面白がって過ごす知恵

昨日は、ダンスのレッスン。 メンバーは、オーバー60の円熟したマダムたち。 ステップを踏みつつ、振り付けの練習に取り組みました。 ところが、何といっても難しいお年頃。 「あかん!足が上手にいったとおもったら、今度は手がお留守になる」 「ほんまよ…

「穏やかな最期、尊厳にあふれた理想の死なんてないのかも知れない」そう感じたあるドキュメンタリー

身体も心も弱っていった父親の元に通っていた時に、ふと目に止まったこちらのドキュメンタリー。 ここ数年間で、最もインパクトのある番組でした。 www.nhk-ondemand.jp 日本にまだホスピスという制度がなかった頃から先駆的に死にゆく患者さんのケアに当た…

最善の「人生の締めくくり」を送るためのアドバンス・ケア・プランニング

昨日のエントリーに、皆さんからのブクマ、コメント、ありがとうございました。 yuuhinooka.hatenadiary.com 誰もが望む幸せな最期。 それを実現させるためには、 どこまで治療を受けるのか、 最期の時をどこでどのように過ごすのか、 自分の意思をはっきり…

あれだけ嫌がっていた人工呼吸器がついてしまった:終末期医療の意思決定

先日の上京では、何人かの友人と久しぶりの再会を果たしました。 親も見送った人、介護の真っ最中の人。 そんな友人のひとりが、 「えぇって感じ!、翌日病院に行ったら、ICUで人工呼吸器がついちゃってたのよ!」と。 その友人のお父様は、87歳。 かれこれ…

孤独との上手な付き合い方は、「暮らし」にあり。受け身にならず心地よく暮らす工夫が自分を救う

昨日は、所用があり日帰りで上京しました。 以前の仕事仲間とも再会。おしゃべりに花を咲かせた数時間。 同世代の話題は、やはり両親のこと。 見送った人あり、介護中の人あり、ハラハラしながら遠くから見守り中の人あり。 看取りを終えた人以外は、それぞ…

足るを知り、与え続ける人生を送りたい

母親が5か月間お世話になった回復期リハビリテーション病院を退院し、有料老人ホームに移りました。 入所に当たり、1か月ぶりに帰省。 姉は、かなりのストレスを抱えているもようで、夜がふけるまで、尽きない話しにひたすら相槌。 やがては迎える自分自身…

この世に息がある限り、何かを与え続ける人でありたい

父の最晩年 これまでこのブログで書いてきたように、父は、「裸の王様」。 気に入らないことがあると母に当たり散らし、母はそれを何とかとりなし、娘は当たらず触らず。 本人は、自分が裸の王様であることに全く気付かず、ここまで生きてきました。 しかし…

マダムたちのベリーダンスー辛い現実も笑って話せる老後を目指して体験を重ねる

両親の介護を通じて、自らの老い方についても思いを馳せることの多い今日この頃。 昨日、読ませていただいたおとなんさんのこちらの記事。 年を重ねるにつれ、「生き方や考え方が丸裸になる」というご指摘。 だからこそ、「辛い現実も明るく話せる人でいたい…

パートナーを看取った後、男は弱く女は逞しいを実感

昨日、日帰りバス旅行に行ってきたという友人が、お土産をもって訪ねてきてくれました。 その友人は、60代後半。 数年前にご主人を癌で亡くし、両親も見送り、仕事もリタイア。 今は、趣味と旅行に生きる悠々自適の生活を送っています。 今が一番幸せ バス旅…

生きられる時間は短いのに一日が長いという友:絵を始めたわけ

もう、1年前のことです。 親しかった友人が、緩和ケア病棟に入院したと聞いて、お見舞いに行ってきました。 入院前は、痛みと呼吸苦で生きているのも大儀だったと話していましたが、 実際に会った友人は、思ったよりも顔色も良く、元気そうに、見えました。…

懐石ランチで聞こえてきた病気とお葬式の話:逃げ場がない、どうする!

昨日は、冬に逆戻りしたかのような花冷えの一日。 夫と出かけたのは、懐石ランチ。 今年は、年明けから遠距離介護が始まりましたが、それも今は小休止。 「いろいろあったけれどお疲れ様」と、来週の私の手術に向けて「頑張りましょう」の意味合いをこめて、…

二人の上司に仕える夫:定年後に大切なこと

私には、幼少期、共に暮らした従姉妹がいます。 彼女とは、姉妹同様の間柄。何でも言い合える関係が続いています。 その従姉妹は、長年高校の教員として勤め、校長を最後に一昨年、職を退きました。 現在、再就職2年目。 彼女の夫は、4歳年下のやはり教員…

別荘地の憂鬱:変えられないものを受け入れる

先日、私たち夫婦は、しばらくぶりに友人ご夫婦の別荘におじゃましてきました。 そのご夫婦は、ご主人の定年退職を機に別荘を建て、週末田舎暮らしをエンジョイされていました。 別荘は、山と海の両方を見渡せる丘の中腹にあり、夕日が対岸に沈むときの美し…

スーパーマーケットのレジで学んだ老いの心得

夫には、スーパーでの買物の際の小さなこだわりがあります。 それは、他の人に迷惑をかけないように、スーパーのレジを最短の時間で通過すること。 小銭を出すのに時間を要しないよう、レジ打ちの途中で、まずお財布の中に小銭がいくらあるのか確認します。 …

パン屋で商品を落としたらー老いの心得。

先日のことです。 一緒にお茶をしていた友人が、興奮した様子で話し始めました。 ひとりの上品なマダムが 友人がお気に入りのパン屋さんで、お目当てのパンを買おうとしていたときのこと。 開店時間直後のそのお店には、まだお客さんもまばら。 そこへ、背筋…