還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

エレガントなシニアに出会う。

昨日、無事にギプス生活2週目に突入というわけで、整形外科に受診してきました。

 私の通う整形外科クリニックは、地元のお年寄り御用達。

リハビリに励む高齢者で常に大賑わいです。

首、肩、腰、膝、足首に不調を抱えるお年寄りが、牽引やホットパック、マッサージなどの施術を受けにやってきます。

足を引きずっている方、腰が曲がった方、明らかな0脚の方、身体の痛みに耐えながら、治療に向き合っておられます。

 

それぞれに具合の悪いところを抱えてはおられますが、皆さんおおむねとても元気。

待合室はまさに社交場。

その声の大きいことといったら!

「あれまっ!どないしたん!また、どっか痛くしたん?」

「ありゃりゃ、〇〇さん。今日は早いなぁ」

そんな会話が、待合室のどこにいても聞こえます。

ひとたび会話が始まれば、だいたいにおいてその話しは長くなり、診察室への通路をふさいでいても気づかないもよう。

 

そして、どういうわけだか皆さんセカセカ。

順番を気にされ、「私の順番、まだかいなぁ」と問い合わせをされる方も。

待合室は、妙な活気にあふれ、全体に雑然とした感じでした。

 

それは私が診察を終えて待合室に出てきたときのこと。

あいにく椅子に空きがなく、どこに立てば邪魔にならないかとキョロキョロ見回していたら、ギブスで松葉杖をつく私に、アイコンタクトと手招きで「あら、こちらへどうぞ」と合図をくださった方がいらっしゃいました。

 

お歳の頃、70代後半の女性。

グレーヘアーでショートカット。小柄な女性でした。

きっと、どこか身体の痛みを抱えておられるのでしょうけれど、背筋をピンと伸ばして椅子にかけておられました。

ブラウスにカーディガン、パンツというこざっぱりとした服装ながら、胸元のスカーフが引き立って華やかな印象。

ファンデーションにチーク、そして薄い口紅がグレーヘアとマッチしてとてもお似合いでした。

 

身のこなしもゆったり。

決して大きい声は出さず、「ありがとうございます。助かりました」というお礼の言葉に、「いえいえ、どういたしまして」とゆったりと微笑み返すのみ。

雑然とした待合室で、彼女の周りだけ、少し違う空気が流れているようでした。

 

「エレガントな方だな」

それが彼女に抱いた印象です。

いわゆる女優さんのような華やかさや美しさはないものの、身のこなしや佇まいに、何とも言えない上品さを感じました。

 

「あんなふうに歳を重ねていきたいな」

そうも思いました。

あのエレガントさはどこから来るんだろう?

まずは、他者への心遣い。

そして姿勢。

ゆったりとした身のこなし。

さりげないおしゃれ。

丁寧な言葉遣い。

そして何より、ご自分自身の生き方、人生に自信をお持ちのように感じました。

 

男性、女性を問わず、品良く年を重ねていきたいものですね。

外見の容姿は衰えても、内面のエレガンスは育てていきたい・・。そんなことを改めて考えたひとときでした。

 

 

目を通していただきありがとうございました。

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