エレガントなシニアに出会う。
昨日、無事にギプス生活2週目に突入というわけで、整形外科に受診してきました。
私の通う整形外科クリニックは、地元のお年寄り御用達。
リハビリに励む高齢者で常に大賑わいです。
首、肩、腰、膝、足首に不調を抱えるお年寄りが、牽引やホットパック、マッサージなどの施術を受けにやってきます。
足を引きずっている方、腰が曲がった方、明らかな0脚の方、身体の痛みに耐えながら、治療に向き合っておられます。
それぞれに具合の悪いところを抱えてはおられますが、皆さんおおむねとても元気。
待合室はまさに社交場。
その声の大きいことといったら!
「あれまっ!どないしたん!また、どっか痛くしたん?」
「ありゃりゃ、〇〇さん。今日は早いなぁ」
そんな会話が、待合室のどこにいても聞こえます。
ひとたび会話が始まれば、だいたいにおいてその話しは長くなり、診察室への通路をふさいでいても気づかないもよう。
そして、どういうわけだか皆さんセカセカ。
順番を気にされ、「私の順番、まだかいなぁ」と問い合わせをされる方も。
待合室は、妙な活気にあふれ、全体に雑然とした感じでした。
それは私が診察を終えて待合室に出てきたときのこと。
あいにく椅子に空きがなく、どこに立てば邪魔にならないかとキョロキョロ見回していたら、ギブスで松葉杖をつく私に、アイコンタクトと手招きで「あら、こちらへどうぞ」と合図をくださった方がいらっしゃいました。
お歳の頃、70代後半の女性。
グレーヘアーでショートカット。小柄な女性でした。
きっと、どこか身体の痛みを抱えておられるのでしょうけれど、背筋をピンと伸ばして椅子にかけておられました。
ブラウスにカーディガン、パンツというこざっぱりとした服装ながら、胸元のスカーフが引き立って華やかな印象。
ファンデーションにチーク、そして薄い口紅がグレーヘアとマッチしてとてもお似合いでした。
身のこなしもゆったり。
決して大きい声は出さず、「ありがとうございます。助かりました」というお礼の言葉に、「いえいえ、どういたしまして」とゆったりと微笑み返すのみ。
雑然とした待合室で、彼女の周りだけ、少し違う空気が流れているようでした。
「エレガントな方だな」
それが彼女に抱いた印象です。
いわゆる女優さんのような華やかさや美しさはないものの、身のこなしや佇まいに、何とも言えない上品さを感じました。
「あんなふうに歳を重ねていきたいな」
そうも思いました。
あのエレガントさはどこから来るんだろう?
まずは、他者への心遣い。
そして姿勢。
ゆったりとした身のこなし。
さりげないおしゃれ。
丁寧な言葉遣い。
そして何より、ご自分自身の生き方、人生に自信をお持ちのように感じました。
男性、女性を問わず、品良く年を重ねていきたいものですね。
外見の容姿は衰えても、内面のエレガンスは育てていきたい・・。そんなことを改めて考えたひとときでした。
目を通していただきありがとうございました。
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