プチプラファッションのセール品。身に着けるのに抵抗はありますか?
昨日、久しぶりにばったり会った同世代の友人と、少しの間お茶をすることになりました。
昨日は寒かったせいか、友人は少し厚めの白いニットに大き目のペンダント。
白がお顔によく映え、いつもより顔色も良く、元気そうでした。
「その白いニット、いいね。とってもよく似合ってる。顔色が良く見えるね」
そう言うと、友人は「そう?」と嬉しそう。
そして、「意識高い系のメンドクサイ娘に怒られるんだけど、これ、なんぼしたと思う?」と。
「これねぇ、ビックリするでぇ~。390円!3900円とちゃうよ~、390円。ネットで買うたんよ。セール品」
聞けば、プチプラファッションのサイトで偶然見つけ、思わず「これ、買い!」と叫んでしまったとのこと。
「このニット、縫製もしっかりしてるし、あったかいんよ。シンプルなデザインやから、年齢に関係なくイケるし、こんな春先の寒い日にはぴったり。もう、毎日のように着てんねん。汚れたら、何の未練もなく、処分できるし。なんたって、390円やもん」
そう、嬉しそうに話していました。
ところが、娘さんは眉をひそめているのだとか。
「娘は、『お母さん、そのニット、開発国の人たちからの労働搾取によってできてんねんで』ってこうよ。『知らない誰かの犠牲によってこの一枚のニットができているっていう想像力、お母さんにはないの?』って。」
「そんなん知らんわなぁ」と友人。
友人の言い分はこうです。
「もう、私らの年齢になってくると、好きなものを好きなように着たい。開発国がどうとか、そんなややこしいこと言われても困るわ。だって、私らが買うことによって、その国の人も生活も成り立ってるんと違うの?ほな、不買運動したら、結局困るのは、その国の人やんか。なぁ。」
そう言って友人は同意を求めました。
「う・・ん。難しいね・・」と曖昧に頷く私。
「もう、本当に頭に来るねん。うちの娘。どうしてあんなに頭が固いんやろ。」溜息をつきながら、さらに友人は続けました。
「娘は、『まだ若い人なら許される。でも、分別のついた60過ぎのおばさんが、390円のプチプラに飛びついて、嬉しそうに着るのはやめてくれる?品格を疑うわ』ってこうよ。」
「そこまで言われると、カチンとくるでぇ」と友人。
「品格の問題にまで発展しちゃったんだ」と私。
「まっ、しゃくにさわるから、最近、意地になってこればっかり着てるんよ。もちろん、気に入ってはいるんやけどね。『買ったのに、結局は着なかった』なんて言われたないし、着倒せば、開発国の人も喜んでくれはるやろと思ってね」
「なるほどね・・」
そんな会話がしばらく続きました。
私も、プチプラファッションをよく利用します。
デパートはなく、商店街もシャッター通りと化している当地には、実質的にユ〇ク〇かイ〇ンしか選択肢がない状況。
ワゴンセールでお気に入りの品を手に入れたこともあり、友人の話しはごく身近か。
正直、開発国の方のご事情にまで思いを馳せることはありませんでした。
「買わなければ済むこと」そんな単純な問題でもなさそうですね。
せめて、自分にとって本当に必要なものだけを購入し、買った以上は大切に扱い、タンスの肥やしにするようなことはせず、とことん着る。
ただ、それだけは心がけようと思います。
目を通していただきありがとうございました。
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