還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

シンプルライフを志向する娘さんと友人から学んだ「シンプルに生きる」ということ

シンプルライフを目指して、食器やタオル類などが最小限のものしか持たないという、子育て中の娘さん。

前回は、その、娘さんに驚き、戸惑いを隠せない友人のことをお話ししました。

今回は、その友人の話から感じた「シンプルライフについての学び」をお話しさせていただきたいと思います。

 

前回の記事はこちら

 

yuuhinooka.hatenadiary.com

 

車を手放した娘さん

シンプルライフを志向する娘さん。小学校2年生と1年生の年子のママでもあります。

その、娘さんは、「生活をシンプルにしたい」と、下のお子さんが小学校入学を機に、長年乗っていた車を手放したそうです。

「何といっても車は、コストがかかる」これが手放した一番の理由。

そして、保育園の送り迎えがなくなったことで、多少の不便はあっても、何とかやっていけるだろうという読みもあり、

また、根底には、便利なものに流され、環境を汚す車社会社会への疑問もあったようです。

娘さんは、週5日、歩いて15分ほどの場所で、9時から5時までのパート勤め。

今の娘さんの機動力は、自転車。通勤も買物も、この自転車でこなしています。

 

6月から通院が始まって

車を手放した後、数か月は何の問題もなく過ぎていましたが、6月に小学校1年生のお子さんが、風邪から中耳炎を起こし、耳鼻科への通院が始まりました。

都会とは異なり、公共交通機関をあてにできない土地柄ゆえ、高い熱のある子供を受診させるには、やはり車が必要。かといってタクシーはお金がかかる。

というわけで、友人にSOSが。

その後、1週間ほどは高熱が続き、熱が下がった後も、週2回は耳鼻科へ通院しなくてはなりませんでした。

結局友人が、下校後のお孫さんを車で受診させ、娘さんのマンションまで送っていき、夕方、娘さんが帰ってくるまで、滞在するという生活を送ることになりました。

車を手放した娘さんに代わって、友人が出動するという生活が約1か月。

幸いなことに今はお孫さんの受診の必要はなく、友人は以前の生活ペースを取り戻しています。

 

友人には友人の生活が

車のない娘に代わって、病気の孫を受診させることなど、祖母としては当たり前のことなのかも知れません。

ただ、友人には、「子育てからも介護からも卒業した今を大切にしたい」という強い気持ちが人一倍ありました。

というのも、娘たちが結婚した直後に実父母、義父母が次々に倒れ、10年以上の介護の末、今年の2月に最後の看取りを果たしたところ。

49日の法要を済また後は、いつかやりたいと思っていた絵画やダンスの教室に参加し、友人に誘われて日帰りのバス旅行にも参加するようになりました。

60歳代半ばを超えた友人。

自分の体力が衰えないうちに、「あれもしたい、これもしたい」。

人の世話をする生活から解放されたら、これから先は、自分のために生きていきたい。

それが支えで、介護の日々を潜り抜けてきました。

ところが、孫の体調不良で、絵画やダンス、ボランティアも一時お休み。

「娘のため、孫のためなら仕方がない」と思いつつも、いつになったら人の世話から解放されるのかと恨めしく思うこともあるようです。

 

シンプルライフもいいけど・・・

 そんなこんなでストレスが溜まった友人。

あるとき、「なんぼなんでも甘えすぎやで!お母さんをタクシー代わりにせんといて!」とはっきり伝えたことがあるそうです。

ところが、突き放せば突き放したで、「こんな雨の日、大変やろうなー」と心配になり、娘さんの依頼に従えば従ったで、疲労が溜まります。

「ほんま、難儀なこちゃ」と友人は溜息をつき、そしてこう話しました。

シンプルライフもいいけど、自分の大切な子供を自分で守れなくて、心豊かになれるんやろか・・」

 

シンプルライフとは

私は、勉強不足で、シンプルライフに大きな共感を抱くまでには至りません。

ただ、娘さんが出会い、共感し、目指したい生き方だとしたら、何とかそれを大切にしてもらいたいと思っています。

何が自分に必要で、何はそうでないのかを見極め、不必要なものに心惑わされずに生きていく。素敵なことだと思いますし、憧れもします。

 

ただ、友人からの話しを聞いた限りでは、娘さんのシンプルライフは、母親という他者に依存することを前提にしたものであり、自分に都合の良いシンプルライフのような気もしています。

シンプルライフを目指すということは、多少の不便は免れ得ないと思います。

そして、その不便さえも楽しめる状況、度量が必要でしょう。

そうした人としての度量を身につけた大人だからこそ成り立つのであり、他者に寄りかからず、しっかり自分で立ってこそ手に入るもの、

今回、そんなことを友人と娘さんから学んだような気がしています。

 

なお、この記事は、シンプルライフ全般に言及したものではなく、「この娘さんと友人」を通じて「私」が感じたシンプルライフに関する個人の感想であることを申し添えます。

 

 

目を通していただきありがとうございました。

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