知り合い以上友だち未満の心地よい距離感
昨日、半年ぶりに81歳になるAさんから電話をいただきました。
Aさんは、当地に移住した6年前、同じ移住者の先輩として紹介され、それ以来のお付き合いです。
当初は、ランチに自宅へお招きしたり、ご自宅に伺ったり、夫婦でのお付き合いをしていました。
ところが、ここ数年、85歳になるご主人が腰痛などで入院したり、Aさんも血圧が落ち着かなかったりして、ご夫婦の体調に黄色信号が灯るようになってきました。
私も、両親の介護で気ぜわしい日々。
ご無沙汰の期間が続いていました。
Aさんご夫婦は、社交的なカップルで、周りには友人がたくさんいらっしゃいます。
お子さんが遠方で暮らすAさんゆえ、車の運転を担当するご主人が入院中の期間は、すぐにも買い物に困ってしまいますが、そこは近くの友人がサポート。
ごく自然に、Aさんご夫婦のサポート隊が結成され、そのメンバーから、Aさんご夫婦の様子はそれとなくうかがっていました。
「何かお手伝いした方がいいのかな・・」
気になりながらも、その時、その時で必要なサポートが届いている様子に安心し、時折お電話して声を聴く程度のお付き合いが続いています。
そのAさんから、久しぶりの電話。
「お久しぶりです。どうしていらっしゃるか、お声を聴きたくてお電話しました」
そんな第一声から始まる電話。
ことのほか明るい声に安心し、お互いの近況を報告し合いました。
通話時間は、3分余り。
最後には、
「時々、ミントさんの声を聴きたくなって。声を聴いて、気持ちが明るくなったわ。また、お電話しますね。」
「私も、Aさんのお声が聴けて嬉しかったです。また、お電話させてくださいね。」
「もちろんです。」
そんなやり取りで、電話は切れました。
いつも快く買物や通院などのサポートをしてくれる近所の友人たち。
その友人に囲まれて、Aさん夫婦は本当に幸せです。
我が家からAさんのご自宅までは20キロ。
なかなか、日常のサポートはできないのですが、それでも忘れずに、声が聴きたいとお電話をいただけるのはありがたいことです。
Aさんご夫婦と私たちは、「友だち」というには、おこがましい。
でも、「知り合い」「知人」というよりは、もう少し近い。
この、知り合い以上だけれど、友だち未満という絶妙な距離感を、とても心地よく感じています。
日々のサポートをしてくれる友人の存在は、何より大切。
ただ、少し心細くなったり、寂しくなったりした時に、フトと「電話してみたい」、「声を聴いてみたい」と思う人がいるのは、少なからず支えになるような気がします。
これが親子となると、言わなくてもいいことを言ってしまったり、聞かなくてもいいことを聞いてしまって、かえって不安や寂しさを募らせたりしがちです。
いずれは私も通る道。
老いの心細さやさみしさを感じたときに、誰かと「知り合い以上、友達未満」の心地よい距離感でつながれる関係を保っていられたらと思います。
目を通していただきありがとうございました。
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