還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

食器は最小限、シンプルライフを志向する娘さん。その母親の戸惑いと嘆き。

先日、「食器は最小限のものしか持たない」という娘さんを連れて我が家に遊びに来てくれた友人。

 

先日の様子はこちらの記事で

uuhinooka.hatenadiary.com

 

 今度はふらりとお一人でやってきました。

我が家からの帰り道、娘さんとひと悶着あったようです。

そのうっぷんを晴らすように、娘さんへの戸惑いを話し始めました。

 

友人の嘆き

ここ1年ほど、娘さんがどんどんと物を手放し、シンプルな生活になっていくのを、最初は「若いのにえらいなぁ~」と微笑ましく、そして誇らしく感じて友人。

ただここに来て、違和感を感じ、戸惑うことも少なくないとのこと。

そのエピソードをいくつか話してくれました。

 

ごく日常的にパーティー皿で食事

娘さんのご自宅の食器は、お皿の類としては、ご飯茶碗とカレーライスをいただくような白いお皿、小さめの小皿が5枚づつ。そしてパーティー皿が5枚。これがすべてだそうです。

パーティー皿とは、プラスティックでできていて、3カ所ほどの仕切りが入っているあれです。

先日、小学校2年生になるお孫さんの誕生日に、友人がご馳走をたくさん作って娘さん宅に届けたときのこと。

唐揚げ、ハンバーグ、エビフライ、ポテトサラダ、肉じゃがなど、お孫さんの好物を、さて、食卓に並べようとした時のこと。

「並べる大きなお皿ちょうだい」と娘さんに声をかけたところ、「大きなお皿なんてないよー」とのこと。

「いいのいいの、これに少しづつ盛り付けてくれればいいから」と娘さんが指したのは、パーティー皿でした。

「えっ!これに盛り付けんの?ちょっと、あんたんち、これしかないの?」と友人は唖然。

「ないの、ないの、これで十分!」という娘さんに従ってパーティー皿に盛り付けたものの、「もう、がっかり。まるで避難所みたいやったわ」と友人。

そして、「これならあるけど」と娘さんが撮りだしたのは、紙のお皿。

「開いた口が塞がらんとはこのことやでー」

 

「汚れるからいい」「いらない」という孫

娘さん宅では、ごく日常的にパーティー皿で食事をしているとのこと。

割れないし、おかずが混ざることもなく、洗いものが少なくなるので、娘さんはとても重宝しているそうです。

「お腹に入れば同じことやけど、あれで旦那もよう我慢してるわ」と話し、「孫も、お皿を使わんように、ようしつけられてるわ」と。

お孫さんが友人宅に遊びに来た際、「このお皿、使い、使ってええんよー」とテーブルに出しても、「汚れるからいい」と使わないのだとか。

「なんやかわいそうな気もしてなぁ。お皿くらい、自由に使わせてやりたいやんか。洗えば済むことやし」

「なんや、委縮してる感じやなぁ。これ買うたろか、って言っても、いらない。大丈夫とか言って、母親に遠慮してる感じでな。子供らしさがないねん」と。

 

雑巾もない、バスタオルもない、タオルもないって何?

そして、食器以外にも驚いたことがあると友人が話し始めたのは、娘さん宅のタオル事情。

あるとき、娘さん宅でお茶をいただいていた時のこと。

麦茶のボトルをテーブルに置き、さて、コップに注ごうとしたときに、どういうわけか蓋が外れてしまい、中の麦茶が派手にこぼれてしまいました。

1リットルはある麦茶が、テーブル、そして床へと。

慌てた友人が、「拭くもん頂戴!」と言ったときに出てきたのが、小さな台フキン。

「こんなんじゃのうて、バスタオルないの!」と思わず叫んだ友人。

「そしたら、娘が何っていったと思う?『バスタオルなんか、ないねん。使ってないねん』こうやで!それって何?子供が二人もいてるのに、バスタオルがないって何?」

友人の嘆きは最高潮!

詳しく言えば、お子さんのプール用のバスタオルはお持ちでしたが、日常的にバスタオルは使わないとのこと。

「もう考えられへん。」と友人。

もひとつ言えば、娘のところには、雑巾もないんやで。使い捨てのシートやって。

タオルも一人2枚。それを毎日洗ってとっかえひっかえ。

「お金にそんなに苦労しているワケちゃうのに、何でそんな耐乏生活せなあかんのやろうか。理解に苦しむわー」

 

私たちの年代がシンプルライフっていうのは理解できるけど

「どう思う?」と問いかける友人。

確かに不必要なモノを減らすことによって、メンテのための労力と時間、お金も節約になるし、スペースも確保できる。

そして、何が本当に自分にとって大切なのかも見えてきて、不必要なものに煩わされない自由な生き方により近づくこともできる。

私自身も、最近、洋服や靴をずいぶんと断捨離し、雑巾を手放し、足拭きマットを手放し、できるだけシンプルな暮らしを心がけていることを話しました。

「ふ~ん」と友人。

しばらく間を置いて、

「まっ、私たちの年代がいろいろ集めてきた雑多なものをそぎ落としてだんだんシンプルライフになっていくっていうのは理解できんねん。ただ、子育て中の娘の年代で、食器もタオルも洋服もいりませんっていうのはどうなんやろ」

「食器の使い方、洗い方を子供に教えていかなあかんのと違う?バスタオルかて、洗濯が大変やから使いませんって、それってどうなん?」

友人はどうも釈然としない様子。

 

シンプルライフの目的が見えてこない

「まっ、それはあるけど、それでも生活をシンプルにして、体力と時間、お金を節約して娘さんにはしたい何かがあるんと違う?」

そう問いかけてみました。

いろいろ母親としては気になっても、何のためのシンプルライフなのか、そこが見えれば、友人も納得するのではないかと思ったからです。

「う・・・ん。どうやろね。娘から直接聞いたことはないけどな。何や、図書館でシンプルライフや断捨離の本を借りまくって読んでるわ。モノを減らすことそれ自身が目的。誰かと競争でもしとるのかって感じやわ-」

「娘は、いったいどこに向けて、どう走っていこうとしてるのか、わからん・・」

友人は、そう言って、考え込んでいました。

 

 

「娘には言えないけど・・」

「こんなこと言ったらアカンのやけど」

「こんなこと娘に言ったら怒られるわ・・」

そんなフレーズを何度も繰り返しながら話していた友人。

結婚して、すでに自分の元を離れた娘の生活に口だしすべきではないと重々わかってはいても、それでも理解を超える娘さんの生活ぶりに戸惑いを隠せないようです。

友人が娘さんを見守っていけるよう、時々は、友人の話し相手になっていきたいと思っています。

 

 

 

 

 

目を通していただきありがとうございました。

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