介助される側になって実感した夫との微妙なズレ。でも、これって老親介護でもあったこと。
松葉杖生活1週目の先日、借りたい本があり、図書館へ行ってまいりました。
実は夫。
私が松葉杖生活になってから、やたらと張り切っています。
介護士さん向き?頼りにされるのが好きなタイプ?
いえいえこれ以上、相棒にトラブルが発生して、面倒なことが自分にふりかからないよう、リスクマネジメントに努めているのだとか。
トイレにいくにも、どこに行くにも、「どこへ行くの?大丈夫?」と声かけを怠りません。
そんな夫。
図書館では、車いすを借りるのだと事前に車椅子置き場を調べ、車は近くの駐車場へ。
一足先に車椅子を借りて、車まで戻ってきました。
さっとドアを開け、車椅子を斜めに寄せ、「はい、どうぞ」。
ちょっとしたセレブ気分で「ありがとう」とお礼を言う私。
ここまでは良かったのですが・・。
車椅子に「よっこらしょ」とお尻を乗せて、態勢を整えようとしているのもかかわらず、夫はそんなことおかまいなしに車椅子を引き、方向転換。
「ちょっと待って!、足、足がのっかってない!!」と悲鳴に近い私の叫び。
骨折しているのは足首なのですから、地面に引きずったままでは車椅子の意味がないどころか、地獄でしょ。
「ごめん、ごめん」と言いつつ、足が乗ったのを確認すると、今度は足早に車椅子を引いて、図書館のカウンターにまっしぐら。
夫にしたら、走っているわけでもなく、ちょっと「速足」ぐらいのスピードなのでしょうけど、乗っている私にとってみると、「うわっ!はやいー!!こわいっ!」という感じ。
座っている目線に映るものがどんどん行き過ぎて、身体が投げ出されるような感覚を覚えました。
「ちょ、ちょっと、ゆっくりお願いできませんんか」と声をかけ、やっと「速いかな、ごめん」と気づく夫。
そして夫は、車椅子で来ているのだから、できるだけ早く欲しい本がみつかった方が楽だと思い、スタッフに本を探してもらっていました。
ただ、私といえば、せっかく車椅子で来たのだから、自分でじっくり探したいと思ってみたり。
ことほど左様に、押している夫と、押されている私とは、感覚にズレあることを感じました。
それにしても生真面目な夫は、
「楽に、できるだけ短時間で目的を達成する」ことに頭がいくもよう。
ただ、当人としては、楽しみや満足感も大事にしたいというわがままも。
そして、自分が介護される側になって、ふと気がつきました。
これって、私と両親との間でもあった話しです。
安全に、できれば短時間で必要なものをゲットして買い物を済ませたいという私と、あちこち見てみたいという両親。
どうしても、当人の満足よりも、介護する側のペースになってしまいがち。
なるほど、こういうことなんだと、実感した出来事でした。
目を通していただきありがとうございました。
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