還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

たかが部活、たかが仕事。自分が生きる世界は他にもあると思えることが自分を救う。

昨日の、日本大学アメリカンフットボール部の選手の会見。

多くの方が憤りを感じ、愕然とし、そして重大な過ちを犯したにせよ彼の勇気に拍手を送ったことと思います。

 

「つぶしてこい」

「できなかったじゃ、済まされないからな」

そんな会話はまるで任侠映画でみる世界の出来事のよう。

学生スポーツの根底に、こんな景色が存在していたなんて。

日本代表を夢見て、青春をかけていた彼の胸中を思うとやるせない気持ちでいっぱいです。

 

あの試合の前、彼はずい分と精神的に追い込まれていたようです。

練習に参加させてもらえない。

試合に出さないと言われる。

日本代表にも行くなと言われる。

「干される」という状況が彼を追い詰め、「ここでやらなければ後がない」と思い込むに至ったように思います。

 

思いつめて、自分を追い込んで、まるで日の丸を背負って突撃するかのような気持ちになっていた彼。

きっと、思いつめて誰にも相談できずにいたのでしょう。

ただ、そんな彼に、どんなアドバイスがあれば、道を引き返すことができたのか考えてしまいました。

 

誰の言葉も届かなかったのかも知れません。

アメフトのことしか、コーチや監督のことしか考えられなくなっていた彼に、周囲に相談するという選択肢は全く思いつかなかったのかも知れません。

ただ、万が一、アドバイスできるとしたら、何と言ってあげたらよかったのか・・。

 

「すべてをかけて打ち込んでいるけれど、それはたかが大学の部活。たかがスポーツ。魂を売ってまでやることじゃない。あなたにはこれから長い人生があり、生きる世界は他に無限にある」

私だったら、そう、伝えたい。

 

「これしかない」「この人に認められなければ後はない」「何が何でもここで頑張らなければ生きられない」

そんな「洗脳」にも似た激しい思い込みがますます視野を狭くさせ、自分で自分を暴走させてしまうような気がします。

 

これまでも、今でいう上司のパワハラに苦しむ人と多く出会ってきました。

上司に認められないのは自分に非があると思い詰め、上司に認められることに専心し、次第に心が病んでいく。

そして、あるとき、「たかが仕事じゃないか。自分、そして人生すべてを犠牲にしてまでやることじゃない。」と思った時に、その人に大きな転機が現れるのを目にしてきました。

行き詰った時には、「たかが○○」と自分を客観的にみつめ、他の世界に目を向けてみることで、すくわれることも少なくないと実感しています。

そういう意味では、今回のことは、同じような状況にあって苦しんでいる人に、力を与えたようにも思います。

 

さてさて、何はともあれ、

とにかく今後の彼の人生に幸あれと祈るばかりです。

 

 

 

目を通していただきありがとうございました。

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