アルコール依存症は、「否認の病」だと実感。アルコール問題と向き合い、いつか笑顔を。
昨日の、強制わいせつ罪で話題になっている芸能人の謝罪会見。
グループの他のメンバーはもちろんのこと、ご両親やごきょうだいのお気持ちを思うと、ライブをみる気になれず、あとでネットで一部始終を知りました。
当日の詳細について、公開できる範囲の情報が公表されていましたが、そのなかで、一番驚いたのは、
・アルコールの関係で身体をこわし、1か月弱入院していたこと
・退院の当日のお昼から飲酒が始まり、焼酎を一升ほど飲んで酩酊していたこと
・にもかかわらず、ご本人は、「依存的なものはないと思う」とおしゃっていたこと
です。
医師ではない素人の推測ですから、的外れかも知れません。
ただ、アルコール関連で入院していたにもかかわらず、退院当日に飲酒するということ、そして、一度飲み始めたらブレーキがかからず、酩酊するまで飲み、このような事件を起こしてしまったこと
この事実だけでも、彼は、立派な「アルコール依存症患者」と言えるのではないでしょうか。
かくいう私の周囲にも、「アルコール依存症」で苦しんだ人、苦しんでいる人がいます。
今は亡き叔父は、若いころから酒好きで、お店で酔いつぶれては叔母が迎えに行くの繰り返し。
あちこちで転んでは、本人の記憶にない傷を負っていました。
向いに住んでいたおじさんは、家人に酒を止められたもののどうしても飲みたくて、近くの酒屋が開くのがまちきれずにワンカップの自動販売機でお酒を買う日々。
最後は、手が震えてコインも入れられなくなり、結局、肝硬変で亡くなりました。
大学時代の恩師も無類の酒好き。研究室にはブランディーが隠してあり、人の目を盗むように飲んでいたのを覚えています。
あの人も、この人も・・。
そして、ほとんどの人は、「酒なんか、やめようと思えばいつでもやめられる」、「やめられるけどやめないだけ」「酒なくして何の人生ぞ!」と話し、アルコール依存症という病にとりつかれているという認識はほとんどないようでした。
酔いつぶれて身体中傷だらけになっても、二日酔いで死ぬほど苦しい思いをしても、「自分は大丈夫」そう思っていました。
まさに、「否認の病」。
詳しいことはわかりませんが、アルコール依存症と呼ばれるレベルまで進むと、自分ではコントロールが効かなくなるような脳内の回路が出来上がってしまうのだとか。
個人の力では如何ともし難い、これぞ病気と呼ばれる所以です。
一度このレベルに達してしまうと、長らく禁酒をしていても、一口でもお酒を体内に入れると、元に戻ってしまうそうです。
会見をしたかの人も、ご自分ではもはやコントロール不能なのでしょう。
謝罪の言葉を何度も口にされたようですが、本当の謝罪は、アルコール問題と向き合い、受け入れ、治療に専念し、お酒のない人生への一歩を進めることにあるような気がします。
もうずいぶん前のことですが、24時間テレビで100キロマラソンに挑戦した彼を覚えています。
ファンではないけれど、鉄腕ダッシュ村で彼が画面に映ると雰囲気が明るくなって、彼の出る場面が好きでした。
まだ46歳。人生半ば。入院先から仕事場に出向くなどという中途半端なことはせず、もちろん変装して通院するなどいうこともなく、正々堂々、アルコール問題と向き合って克服して欲しいと思っています。
アルコールに悩む人は本当にたくさん。きっと、仲間とのつながりを得て、逞しくカムバックしてくれるでしょう。
それが、被害に会われた方に報いる一番の方法ではないでしょうか。
いつか、彼の心からの笑顔が見たい・・そう思っています。
目を通していただきありがとうございました。
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