足を上げて生活するってどうよ?ギプス生活4日目
人間は、2足歩行。
左右交互に足の裏をしっかと大地につけて移動するのが常ですね。
ところが、先日の腓骨骨折以来、患側の足(私の場合、右足)をつくことができないばかりか、一日中、つまり昼夜を問わず右足を高く上げていなければならないという非常事態に突入いたしました。
というのも、骨折により、ダメージを受けた組織の毛細血管が破れ、血液やリンパ液をはじめとする体液の循環が滞り、骨折した足は、とてもむくみやすい状態。
そのうえ、ギプスで固定された足は、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉もほとんど動かないため、ポンプがうまく作動しない状態です。
ギプスのなかで足の浮腫みがひどくなれば、痛むのはもちろんのこと、神経が圧迫されて、腓骨神経麻痺なる後遺症が残ることもまれにあるようです。
ギプス治療においては、どのようにしてむくみを防ぐかが重要事項。
「足がやっぱりむくむんですけど」そんな訴えに、わが主治医は、
「足を心臓より高く上げてね。そうすれば、必ず良くなるから」という回答を繰り返すのみ。
入院してベッド上安静にしていれば、足を心臓より高くすることはできるかもしれませんが、普段の生活において、足を心臓より高く保つのは無理でしょう!
ご飯を食べ、多少の家事をして人と会い、PCに向かい、お風呂に入る。
そんな日常のなかで、ギプスを巻いた足をずっと上げている。
それも、可能な限り高く。
そんなこと、できるのでしょうか?
しかし主治医は、「それしかない」とおっしゃる。
最初は、「そんなこと、ムリよねぇ」と思っていた私も、何度尋ねても、同じ答えが返ってくる現状に、「やっぱりそれしかないのかなぁ」という気持ちに。
そこで、「足上げ作戦」をスタートさせたのでした。
眠る時には、クッションで足を上げ、椅子やソファーに座っているときには、自分が座っている椅子よりも高い椅子を用意して足置き台にし、床に座る時にはソファーに足をかける。
キッチンに立つときには、キャスターのついた椅子にギプスを巻いた足の膝をのせ、車に乗る時には前の座席シートの背に足をかける。
お風呂で身体を洗う時には、シャワーチェアに足をかける。
という具合。
心臓よりも高くすることはできないまでも、24時間中、23時間は、足を上げた状態であることは確かです。
おかげさまで、むくみもとれ、まずまずギプス生活は順調です。
それにしても、私は「通勤」という一大事業がないからこそ、何とかペースを乱さずやっていけるものの、お勤めがある方は本当に大変です。
松葉杖で歩くとなると、著しく体力を消耗し、かかる時間は3~4倍。
満員のバスや電車に乗り込むとなれば、当然足を上げているどころではなく、転倒の危険が常に伴います。
普段の日にも手荷物は持てず、雨の日には傘もさせません。
オフィスでの座業ならば足を上げていることもできるかもしれませんが、そうでなければそれも難しいでしょう。
人間の身体には、206本の骨があるとか。
そのうちのたった1本の損傷が、かくも生活に大きな影響を及ぼすとは。
今回身をもって体験した足の骨折のやっかいさ。
もう二度と繰り返したくないと、つくづく思う毎日です。
もう、梅雨入りした地域もあるとか。
足元がすべりやすいこの季節。
皆様も、どうかお気をつけくださいませ。
目を通していただきありがとうございました。
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