還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

入院生活。方言の優しさに癒されました。

たった1つのポリープを切除するだけなのに、恐縮するほどの手厚いケアを受け、昨日、無事に退院しました。

運よく、4人部屋の山側。窓側のベッドとなり、居ながらにして、お花見ができるというまたとない幸運に恵まれ、もったいないような入院生活でした。

 

満開の桜に癒され、そして、医師や看護師さんたちスタッフの方々の対応にも、心和むひとときでした。

何といっても、とにかく、言葉が柔らかくて優しい!

 

車で1時間ほど離れた病院ですが、当地とは、かなり言葉のニュアンスが違っているのに驚きました。

当地は、漁師さんの多い海沿いの街。

波音に消されないよう、皆さん声が大きく、何事もストレート。いっさいの装飾なしです。

例えば、「雨、雨が来んぞ!」といった具合。

丁寧に言えば、

「雲行きがおかしくなってきましたね。これからきっと雨になると思います」というフレーズですが、いっさいの余計な装飾はなし。

フレンドリーと言えばフレンドリーですが、

「これ、どないしたん?」といきなり聞かれて戸惑うことも。

「これ、ご自分でお作りになったんですか?それとも、どこかでお買い求めになられたのですか?」という問いかけが、「これ、どないしたん?」の一言に集約されるというわけです。

東京から移住して6年。そんな当地のストレートな表現にも、ずいぶん慣れてきました。

 

ところが、それほど距離的には離れてはいないというのに、今回入院した大学病院のスタッフや入院患者さんが話す言葉は、大きく異なっていました。

まずは最初に対応してくださったスタッフの方。

「今日からご入院ですねぇ。少しお話し聞かせてもろてもよろしいかぁ?」といった具合。せかせかとした感じがなく、万事ゆったり。

 

トラブル発生の時にも、誰も慌てずゆったり。

「なんや、点滴のところが、ちょっと腫れてきたんやけど、これでいけますか?」と患者さん。

「ちょっと見せてもらいますねぇ。ああ、点滴が漏れてもうたんやね。これは痛いでしょう。ほんなら、ちょっとお休みしてから、後で刺し直しましょうかぁ。」

「やっぱり漏れてたんやね。いやぁ、私もおかしいとは思いよったんよ。なかなか点滴も減らんけんねぇ。ほんなら、もう一回やね。よろしくお願いします」

「今度は、違う手にしよったらいけると思うんやけど。ほなまた、10分ぐらいしたら来ますね。」

「おねがいしますぅ」

 

これが当地ならば、多分、こんな展開になると思われ・・。

「なんや、点滴刺したところが、腫れとんで。これでいける?」

「ちょっと見せて。ああ、漏れたなぁ。これは痛いなぁ。ちょっと休んどこか。後で刺し直すわ」

「なんや、やっぱ、漏れとったんかいな。いやぁ、おかしいと思っててん。なかなか点滴も減らんしな。もう一回かいな。ほな頼むわ。」

「今度は、違う手にしよか。ほしたらいけると思うで。10分したら、また来るわな。」

「よろしく頼むわな」

 

文字にすると、細かいニュアンスが伝わりにくいかも知れませんが、当地は、基本あまり敬語というものを使わない土地柄でもあり、きっとこんなやりとりになると思われます。

方言には、それぞれの良さがありますが、時に違う土地の方言に触れると、その良さを身に沁みて感じるものですね。

優しい言葉のシャワーをいっぱい浴びて、気持ちも満たされた入院生活でした。

 

 

目を通していただきありがとうございました。

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