還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

「若いスタッフの、人と関わる力が弱くなっちゃって・・」という管理職の呟き

東京を訪れた4日間で、久しぶりに何人かの友人との再会を果たしました。

今は、都内の大病院で数百人のスタッフをまとめる立場にある友人。

「最近、病院の方はどう?」そんな問いかけに、

「忙しいのは相変わらずだけど、時代なんでしょうね、若いスタッフがなかなか育たないのよ・・。悩みは尽きないわぁ」と話し始めました。

 

「若い人の何が問題なの?」能天気な私の問いかけに、

「何がって、何だろう。そもそも、『人と関わる』っていう基本的なことが難しいのよ、今の若い人は」と、なかなか手厳しい。

検査データを読んだり、医療機器を使いこなしたり、電子カルテにパソコンで打ち込んだり、そういうことは得意なのよ。

ただ、患者さんやご家族と関係を築いて、話し合いながら今後のことを決めたりっていうことが難しい。

まずは、会話を続けること、相手の話しを引きだすこと、何気ない世間話しをすることもなかなかうまくいかないのだそうです。

「一言で言うと、「コミュニケーション能力」ってことになるんだけど、それ以前の、相手に対する関心が薄いような気がするのよね。目の前の患者さんよりも、PC画面をのぞいて自分の業務が優先。とりあえず、目の前の業務を終わらせる。で、クレーム・・」

そう呟いて、友人は小さく溜息をつきました。

現場で先輩がモデルになれればいいのだけれど、それもできていない現状があるのだそうです。

 

昨日のタクシー運転手さんの呟きといい、この友人の話しといい、考えさせられることの多い東京滞在でした。

一面では、劣化しているようにも思うけれど、IT技術がどんどん発達し、世界中の人がその恩恵を被る世の中になり、市場規模も拡大。

新しい価値が創造され、それまで考えられなかったような新しいビジネスが展開されています。

店頭まで赴かなくても、ネットで欲しいものが手に入り、銀行窓口まで行かなくても振込もできるようになりました。

 

ただ、人と人とが関わる機会は、急激に減少しているように思います。

そして、他者向ける関心も確かに低くなっているのかも知れません。

人と人とが出会って挨拶を交わし、話し合う。

そんなかつては当たり前だったことが、今はとても難しいことになっているようです。

友人の嘆きは、こうした社会全体の変化を如実に表しているようにも思えました。

 

それでも、必ず人は育つ。育てなければ育たない。

来年度から、新たな研修プロジェクトも始動するとか。

その試みが実を結ぶようにと願いつつ、また来年の再会を約束して別れました。

 

冷たい風を頬に受けながら見上げた増上寺と東京タワーです。

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目を通していただきありがとうございました。

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