還暦からの再起動

リタイア後に田舎暮らしを始めた還暦女子。それなりの「人生の旬」を綴ります。

実家への愛着、姉妹の温度差、溝を越えて

両親の老いが大きなうねりとなって現れるその直前に、近くに住み、両親のサポートをしてくれていた姉と、実家の「家」について、話し合ったことがありました。

 

ゴミ屋敷と化した実家

母親が、次第に家事ができなくなり、日々の食事にも困るようになって入居した高齢者マンション。

抜け殻となった実家は、まさにゴミ屋敷そのもの。

足腰が弱くなって、階段を上がれなくなって久しく、2階は、ホコリだらけ。土足でしか歩けないような状態でした。

ゴミ捨てができなくなっていた両親は、不用品を溜めこみ、壊れた電子レンジのうえに、新しく買った電子レンジを置き、壊れるとまたその上に重ねるという状態。

食べかけのお菓子、飲みかけのペットボトルが中身が残ったまま、引っ越してから3年経ってもまだ、部屋の隅から出てくるという状態でした。

 

実家の片付け、手伝って欲しいと話す姉

実家から車で20分程度の距離に住む姉は、両親がサービス付き高齢者住宅に入居してからも、年に数回、実家の片付けに行ってくれていました。

マスクに手袋といったいでたちで、袋にゴミを詰めていくという作業を黙々と続けていたという姉。

「もう限界。とにかく、何でこんなにしちゃったのって腹が立って腹が立って。あの家に行くと、具合が悪くなる」という姉は、「一緒に手伝ってくれない?二人でやれば、少しは片付くと思うの」と少し思いつめたような表情で話しました。

 

姉の苦労に思いを馳せつつも、気持ちが動かぬ妹

遠方とはいえ、姉に任せきりにしてきた私。

ひとりで、このお化け屋敷のようになった実家と格闘してきた姉を思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

ただ、どうにも気持ちが動かない自分が、そこにはいました。

虫がわきそうな惨状、それを目の当たりにすることは、見てはいけない両親の恥部を直視するような感覚もあり、どうしても目をそむけてしまいたくなるのです。

むしろ、姉が、そのようなことで消耗して欲しくないと感じていました。

お互い、もう若くはないのだから、そんなことで疲弊して欲しくはない。

「本当に申し訳けないけど、私にはできないし、お姉ちゃんにもして欲しくはない・・」筋が通らないことは百も承知で、私は姉にそう伝えていました。

 

「私たちの義務なのよ」という姉

「できないし、して欲しくないと言ったって、これは私たちの義務だよ」と語気を強める姉。

長女と次女という立場の違いを、強く感じました。

「あのまま放っておいたら、ご近所からクレームが来ると思う」姉はそうも言いました。

この3年間、「ご迷惑をおかけします」とお盆と暮れには、手土産をもって挨拶回りをしていたとのこと。

そんな姉の苦労も知らず、実家の片付けなど意味がないと言い放つ妹に、姉は黙り込んでしまいました。

 

 

業者による片付けを提案

姉の話を聞きながら、どうしたら、姉も私も、あの「家」から解放されるのか、それを考えていました。

娘だからこそ、実家の片付けはさまざまな感情が刺激されて、苦しくなる。

いっそのこと、便利屋さんにお任せしたらどうだろう。

お金で解決できるなら、その方が、ずっとメンタルにはいい。

「便利屋さん、使ってみる?」

「便利屋さんって、そんなことしてくれるの?」と姉の顔が上がりました。

調べてみると、近くの便利屋さんが、1時間2000円程度で請け負ってくれることがわかりました。これならば、私も、何とか負担できる金額です。

結局、便利屋さんに問い合わせてみることになりました。

 

割り切るところは割り切って

姉と実家について話し合ったことで、お互いの「家」に対する思いに大きな温度差のあることがわかりました。

長女と次女の立ち位置の違いも。

どちらが正しいということではないけれど、助け合って実家の「家」問題を乗り越えていかなければならないのは確か。

 この時、私と姉が合意したのは、「あの家は、過去のもの。過去の遺物に足を取られずに、割り切るところはパッパッと割り切って、これからに向かっていきたいね」ということ。

こうして、実家の「家」に対する姉妹の足並みが揃っていきました。

 

 

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