還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

人それぞれの価値、ヨレヨレこそが上質だという夫

人にはそれぞれ、「お気に入り」の品々がありますね。

着るものだったり、食べるものだったり。

その人が、何を好み、何を遠ざけるのかによって、その人らしさがわかってくるような気がします。

 

ヨレヨレの服を好む夫

夫は、身に着けるものに、彼なりのこだわりがあります。

例えばパジャマ。

7~8年、毎日着て、毎日洗っています。

綿素材の生地は限りなく薄くなり、ペラペラ。

光にかざしてみると、向こう側が透けて見えそうです。

ハンカチも、もう8年ほど使っています。

今にも破けてしまいそう。柄も薄くなっています。

下着も、ゴムが伸びて、ヨレヨレ。

綿のズボンは、5年ほど着て、ついに膝が破れてしまいました。

 

夫のこだわり

肌に直に接するものは、「皮膚と同化するほどクタクタ、ヨレヨレになったものがいい」というのが彼のこだわりです。

新しい衣類は、シャンとし過ぎて、どこかよそよそしくて落ち着かないと言います。

糊のきいたパリッとしたものはNG。

リタイアしてから、冠婚葬祭用の黒以外のスーツは、処分しました。

着古した綿のズボンとTシャツ、そして履きつぶす寸前のスニーカーが夫のお決まりのスタイルです。

 

愛情をもって長く使い、断腸のお別れ

ほかの人が見れば、もうゴミ寸前のヨレヨレの衣類も、夫にとっては大事な財産。

「ここまで着こむのは大変なんだ」とご満悦。

愛情をもって長く使い、そして、もうどうにもならなというところまで見届けて、それこそ断腸の思いでお別れする。

「今日、思い切ってあのズボン、捨てたんだ。長く履いてきたからなぁ」と夫。

「ズボンもきっと喜んでいると思うよ」

そんな会話を真剣に交わす私たち夫婦です。

 

アンバランンスも、それぞれに楽しめれば・・

私は、夫ほど身に着けるものにこだわりがありません。

古くなれば、処分し、新しいものを買い足しもします。

糊のついたものもOKですし、それぞれの風合い楽しめばよいと思っています。

少し改まったレストランなどの出かけるとき、夫は、「この格好でいい?」「いつものスタイルでいい?」と尋ねます。

夫が、一番リラックスできることが大切なので、ストップをかけることはありません。

私は、少しオシャレをしてパンプスを履き、夫はいつものズボン・Tシャツ、スニーカースタイル。

アンバランンスではありますが、それぞれに楽しむこと、それが一番大切だと思っています。

 

夫の生きざま

思えば、この夫の好み。

夫の生きざまそのものような気がしています。

縁あって自分の元にやってきたものに対しては、とことんつき合って愛情をかける。

もう、今さらそれは変わらないし、変えられもしないと思っています。

その人が何を上質だと思うかは、その人の生きざまが現れる。夫をみていて、そんな気がしています。

 

 

 

 

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