若い頃の写真を見て脳が活性化?脳梗塞、寝たきりの母の場合
先日は、母親の84回目の誕生日。
ベッド上ではありましたが、本当にささやかなお祝いをしてきました。
しばらくぶりに会った母は、明らかに意識レベルが改善。
会話らしい会話ができるようになっていました。
昨日の最良のプレゼントは、若いころの写真
一緒に面会した姉が、実家から母親の若い頃の写真を持参しました。
1枚は、61年以上も前、22歳だった母親が、生まれたばかりの姉を抱いている写真。
もう1枚は、母親がテニスに夢中だった20年前、コート上でスマッシュを決めた瞬間の、ユニフォーム姿の母親の写真です。
「お母さん、わかる?こんな写真が出てきたの」と写真を見せると、
「わぁ~っ!」と母親の両頬が明らかにゆるみ、笑顔になりました。
そして、まじまじと写真に見入り、「こんな頃もあったんだねぇ・・」と。
そして、すぐに泣き顔になり、「ありがとう、ありがとう」と涙を浮かべました。
それから、あの頃に家族一同、タイムスリップ
「お母さん、きれいだったね。」「お母さん、若いっ!」
そして、「このスマッシュ、フォームが決まってるね」という声に、
ラケットを振るような仕草を見せる母親。
「そうだよ、母さん、若くてキレイだったんだから」という父親。
そして、またまた嬉し泣きの母親。
明らかに脳が活性化したと感じた時間
いつもは、会話ができても、しばらくすると眠りの世界に落ちてしまう母。
ただ昨日は、明らかに違っていました。
写真の頃の自分を懐かしみ、その頃の幸せを噛みしめ、自分を誇りに思い、そして、今ある家族に感謝する。
そんなさまざまな感情が、母の内に芽生え、喜び、涙していたように感じます。
傷ついた脳も、昨日ばかりは活性化していたようでした。
「写真の力」を実感
誰の言葉よりも、母親にさまざまな感情を呼び起こした2枚の写真。
正直なところ、私自身は昔の写真を見ても、「懐かしい」とは思うものの、さほど感情を揺さぶられるということはほとんどありません。
ただこの先、人生の最晩年を迎え重い病に倒れたとき、写真が大きな力を与えてくれるのかも知れません。
「写真の力」を実感したひとときでした。
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