還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

プレミアム有料老人ホームの資料を取り寄せてみた

両親の介護をきっかけに、自分たちの行く末を現実的に考え始めた私たち夫婦。

「終の住まい」となるような高齢者施設のパンフレットをいくつか集めてみました。

自分たちにも手が届きそうなお手頃価格の施設が中心ですが、ごくわずか、富裕層向けのプレミアム物件も。

 

豪華客船で旅をしているようなゴージャスさ

こちらが恐縮してしまうような立派なパンフレットを開くと、そこには眩いばかりの世界が。

重厚なエントランス。ホテルのスウィートルームのようなお部屋。素晴らしい眺望に、シェフによるお料理。温泉大浴場あり、バーラウンジあり。

ビリアードにダーツ、シアタールームにカラオケルーム、ライブラリー、そして卓球、アスレチック、エステ・・・。

すべてが完備され、医療、福祉のサポート体制も万全。

介護が必要になっても、住み替えることなく、スタッフのサポートを受けることができます。まさに至れり尽くせり。

気になるのは、やっぱりお値段。さまざまな料金体系が用意されていましたが、入居一時金をお支払いすることになると、高い施設では1億円を超えるところも。

手の届かない世界であることは承知のうえながら、しばし見入ってしまいました。

 

宝くじが当たった入所する?

「もしも、数億円の宝くじが当たったら、入ってみる?」

夫に問いかけてみました。もちろん、自分自身にも。

答えは、微妙。

何もかも至れり尽くせり。すべてが用意されている生活だからこそ失うものってないんだろうか?

ヘソ曲がりなのかも知れません。まだ今は元気に暮らしているからなのかも知れませんが、感覚的に、もろ手を上げて「入りたい!」とはならないのが正直なところです。

 

不便や不満と折り合いをつけたり工夫する愉しみをまだ手にしていたい

すべてが手に入る夢のような生活。

豪華客船で旅をしているような毎日。

豪華客船は、非日常だから、一生に数回のチャンスだからこそ、感動も喜びもあるのではないでしょうか。

これが日々の生活になった時に、掌から零れ落ちていくものもきっとあるような気がします。

それは、通常暮らしていれば多くの人が経験するであろうちょっとした不便や不満、それを工夫して乗り切ったり、何とか現実と折り合いをつけていく些細な喜びや達成感。

それを味わった時に、少なくとも私たち夫婦は、生きていることを深く実感するような気がしています。

 

やっぱりここで暮らしたい

豪華なパンフレットを開きながら、夫と話し合ったのは、「やっぱりここで暮らしたい」でした。

暮らせなくなったらどうするかを考えるための資料収集だったのに、あらら、堂々巡り。

もう少し時が経ったら、また考えてみようと思います。何度でも。何度でも。

 

 


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