還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

懐石ランチで聞こえてきた病気とお葬式の話:逃げ場がない、どうする!

昨日は、冬に逆戻りしたかのような花冷えの一日。

夫と出かけたのは、懐石ランチ。

今年は、年明けから遠距離介護が始まりましたが、それも今は小休止。

「いろいろあったけれどお疲れ様」と、来週の私の手術に向けて「頑張りましょう」の意味合いをこめて、お店を数日前に予約。

お花見をかねての楽しいひとときを過ごす・・・つもりでした。

 

60歳代と思われる2人の女性が入店

通されたのは、開店直後の静かなお店、その明るい窓際の一番奥の席でした。

窓際には、4人がけのテーブルが4つ。

テーブルごとにパーテーションが置かれ、視界が遮られ、他のお客様からは見えないつくりになっています。

食事が始まって間もなく、60歳代と思われる2人の女性が入店され、私たちの席のひとつ置いた奥の席に着席されました。

夫の背中の向こう側にお二人が向かい合う、そんなかっこうでした。

 

夫の箸が進まない

いつもながら、お店のお料理は、職人さんの細かな技が光り感動もの。

盛り付け、器、そのどれをとっても、大満足。

「すごいね~」「いやっ、美味しいね」「これ、どうやって作るんだろう」

そんなことを言い合いながらしばらく食べ始めたところで、夫の箸が何だか進まなくなってしまいました。

 

話題は病気とお葬式

「賑やかだなぁ」とポツリと夫。

気にしないようにはしていましたが、背中越しのご婦人お二人の声は、かなりのボリューム。

「〇〇さん、長いこと入院したんやで」

「管をぎょーさんつけて、オムツもしてな、かわいそうやったわ」

「床ずれができて、ぐちゃぐちゃやったそうな」

「ほんま、もう、そないなったら生きててもしゃーないやんか」

といった調子。

話題は主に、どなかたかの病気のお話し。

お料理が運ばれ、食べているときは、おしゃべりも止んでいましたが、食べ終わるとまたその続き。

今度はお葬式のお話し。

結局私たちは、早々に引きあげ席を後にしました。

 

逃げ場がないなぁ

車に戻った夫は、「ああいうのって、耳栓するわけにもいかないし、逃げ場がないなぁ」と呟きました。

お店の人に注意していただくようなことでもないし、同じ話しを聞いても、さほど苦痛に思わない人もいれば、食欲を失くす人もいます。

感じ方は人それぞれです。

ただ、声というのはやっかいで、自分の意思とは関係なく、耳に届いてしまうのが困るところ。

私も、久しぶりに友人と会って食事をしたときなど、嬉しさと気安さからついつい声も大きくなり、周囲の人に不快な思いをさせてしまっていたかも知れません。

特に女性のおしゃべりは要注意!もちろん私自身も含め、自戒しました。

 

次回は個室も

訪れたお店は、私たちのお気に入りの場所です。

これからも、節目節目で利用したいと思っています。

「これからは、事情を話して個室でお願いしようか。」そう夫と話しました。

私たちが気にし過ぎるのかも知れません。一般的な感覚の持ち主ではないのかも知れません。

ただ、せっかくの機会。できるだけ快適に過ごしたいし、職人さんが丹精込めてこしらえたお料理をしっかりと味わいたい。

「偏屈な客で困った」と受け取られるかも知れませんが、よくお話しすれば、お店の方も多分わかってくださるような気がしています。

少し残念なランチとなりましたが、日ごろの自分自身への自戒と、これからのお店との関係がより発展していくチャンスをいただいたようで、それはそれで有意義な機会となりました。

 

 

 

目を通していただきありがとうございました。

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