還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

運転免許返納からの次なるステージはシニアカー。大渋滞にご用心。

当地は、最も近いコンビニまで10キロ以上。

最寄りのスーパーまでは14キロ。

公共交通機関のコミュニティーバスは、1日に2往復のみという立地により、車がなくては暮らしていけない「田舎」です。

一家に車は2台以上が普通。

高齢の方も、ギリギリまで運転免許を手放さず、85歳が平均的な運転卒業年齢のようです。

 

認知機能が低下したり、手足が不自由になったり、視力・聴力が衰えて、泣く泣く運転免許証を手放したとしても、やっぱり自分で自由に外に出たい!

それがお年寄りの偽らざる心境なのでしょうね。

そこで当地の高齢者の方々の間で脚光を浴びているのがシニアカー

充電式で動く、「電動車いす」の進化系です。

 

昨日は、新緑が美しい晴天の一日でした。

農家では、そろそろ田植えの準備に忙しい時期を迎えています。

田植えと聞いて、じっとしていられないのが高齢の方々。

「ちょっと田んぼの様子を見に行きたい!」

ところが、お家の方は大忙しで、それどころじゃない。

そこで、シニアカーでお出ましになる方の多いこと。

 

昨日、時刻は午後3時。買物からの帰り道、近道しようと農道を通ったその時、カーブの先の道の真ん中に、シニアカーに乗ったおじいちゃまが。

お歳の頃は、80歳代の後半かと。

年季の入ったクボタの帽子をかぶり、作業着風のジャケットをお召しになり、悠々とシニアカーで走行中。

反対車線の交通量もいつもより多く、軽トラックがひっきりなしに通るではありませんか。

「いや・・、困ったな」と夫。

抜くに抜かせず、ふと気が付くと、後方にはピッタリと2台の車が。

 

このシニアカー、最高時速は6キロ。まさにノロノロといった感じ。

お耳が遠いのか、全く背後の車に気づく気配もなく、ひたすらノロノロ。

クラクションなど鳴らしたら、驚いたショックで何事か起きそうで、それも憚られ・・。

「このシニアカー、途中で突然、充電が切れるってこと、ないのかな」

そんな不穏なことをつぶやく夫。

 

「まっ、ここは諦めて、ゆっくりいきましょう」

「そうだな、急いだってしょうがないなぁ」

そんな会話を交わしつつ、しばしシニアカーに先導されることに。

後方の車はさらに増えているようでした。

 

結局、シニアカーは、とある田んぼのあぜ道へと進み、先導車から解放された私たちは、「やれやれ・・・」。

季節がよくなったこの季節。これからしばらくは、シニアカーに厳重な注意が必要です。

細い路地から飛び出しはもちろんのこと、道の真ん中で立ち止まるなんてことも。

実は、知り合いのお父様が、先月シニアカーから転倒し、大怪我をしたばかり。

足元が不安定な田舎の道は、シニアカーには無理があるようですが、それでも「自分で外に出たい」という高齢者の気持ちは断ち難く、じわじわとシニアカー人口は増えているようです。

 

それにしても、やっと運転免許証を手放したと思ったら、今度はシニアカー

「危ないったらありゃしない!」というお家の人の声が聞こえるようです。

せめて、域に住まう者として、そんな高齢者とご家族の存在を念頭に入れ、優しい運転を心掛けなければと思います。

いつかは自分も通る道。

 

 

目を通していただきありがとうございました。

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