還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

おっさんのおばさん化が進んでいる!

昨日のこと。

久しぶりに、少し離れたマクドナルドに夫と寄ってみました。

時刻は、平日の午前10時。

「この時間は、きっとガラ空きだね」

そんなことを話しながら入店したものの、広い店内のテーブル席の半分は、お客様がすでに座っておられました。

少し驚いたのは、ほとんどが初老から老年の男性。

お一人さまは少数で、7~8人の団体様から3~4人の小グループまで。

なかには、窓際のカウンター席にお二人並んで、おっちゃん二人が顔を寄せ合ってコーヒーを啜る姿も。

あちこちのテーブルからは、明るい話声が響いていました。

 

さしずめ、女性ならば、こじゃれたカフェでお茶をするということなのでしょう。

おっちゃんたちには、こじゃれたカフェは、少し敷居が高い。

10時半までなら、格安のモーニングが提供されるマクドナルドは、おっちゃんたちの朝の社交場として活用されているようでした。

 

「おっちゃんたちもやるねぇ」

「男は群れない・・そう相場は決まっていたもんだけど、世の中変わったなぁ」

「そうねぇ、朝の散歩のおっちゃんたちも楽しそうだものね」

そんな会話を交わす私たち。

 

実は、自宅の前を、毎朝散歩コースとしているおっちゃんたちのグループがあります。

メンバーは5人。

みなさんリタイア組。

おしゃべりをしながら連れだって歩き、道ゆく人に明るく挨拶。

小一時間も歩くと、お決まりのベンチで休憩。

そして、おしゃべり。

ひなたぼっこをしながら、これまた小一時間ほど。

 

昔なら、これをご近所の井戸端会議と呼んだのかもしれません。

女性の、それもおばさんの専売特許のように称されていましたが、当地では、今やおっちゃんたちの大切な朝の日課となっています。

 

「おっちゃんが、だんだんおばさん化してきたなぁ」と夫。

「いいことだね。」と私。

 

というのも、母が、「主人在宅ストレス症候群」でずいぶんと苦しんだからです。

父は、「男がそんなことできるか!」という典型的な亭主関白。

朝、どっかりとリビングに腰を下ろすと、「お茶!」、「飯!」、「新聞!」と叫び、ほとんど外出しようとはせず、母が出かけようとすると、「何時に帰ってくるんだ」「どこへ行くんだ」と細かく詮索。

「一緒にいつだけで息が詰まる」と母はよく泣き言を言っていたものです。

 

10年ほど前でしょうか。定年後の男性が、「払っても、払って奥様についてくるぬれ落ち葉」などと言われた時代もありました。

「定年後をどう生きるか」を扱った本も多く出版されたように思います。

当地は、封建的な雰囲気が残る田舎の小さな街ですが、それでもその頃に比べると、世の中は大きく様変わりしていることを実感しています。

 

おっちゃんがおばさん化し、おばさんがおっちゃん化する。

男性も育児休暇をとる時代になり、男性介護者も増えてきました。

同じ服を、20代の若いお嬢さんも70代のマダムも自分流に着こなすようになり、ジェンダーや年齢の境界がずいぶんと薄らいできたように思います。

あと10年もすれば、さらにさまざまな境界が曖昧になることでしょう。

 

どんなボーダーレス社会が到来するのか、皮膚の色や言葉の境界もなくなるのか、経済格差はどうなのか、とりとめもなく夫とおしゃべり。

でも、一番大切なことは、性別や年齢にとらわれない柔軟な自分自身であること。

そんな結論に落ち着いたのでした。

 

 

 

目を通していただきありがとうございました。

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