思春期男子の子育て相談に撃沈の還暦夫婦
今日は、先週の小学校の運動会に引き続き、中学校の運動会。
昨日、中学校1年生の男の子をもつまりちゃんが、「お弁当お願いします」の依頼に自宅に寄ってくれました。
まりちゃんは、事情があってご主人とは現在別居中。
中学校1年生のひろし君と小学生の二人の子育てに励むワークングマザーです。
そのまりちゃん、どうも元気がない。
いろいろと子育てのお悩みを抱えているようでした。
ひろし君のLINEにビックリ仰天
まりちゃんはひろし君が中学校に上がったのをきっかけにスマホを持たせました。
そしてひろし君は、LINEを使うようになり・・。
そこからまりちゃんの悩みが始まりました。
というのも、どうも最近のひろし君の様子が気になるまりちゃん。
どうもソワソワして落ち着かない。
そこで、まりちゃんは、後ろめたさを感じつつも、意を決してひろし君のLINEを見たところ、そこには次のようなやりとりが・・。
ひろし君:今、何してるの?
女の子:お風呂から出たところ
ひろし君:フーン、どんな格好してるの?
女の子:今から写真、送るね
まりちゃんは、びっくり仰天!
どんな写真が送られてきたのかは、既読マークがついてからでないとひろし君にわかってしまうため見ることができなかったそうですが、まりちゃんには、あれこれ勝手に妄想が広がってしまい、そのことが頭から離れないとのこと。
私が最初にひろし君に会った時は、小学校2年生。
お母さんの陰に隠れるようにして恥ずかしがっていたというのに、今は、お母さんの背をはるかに追い越し、170センチの堂々たる体格。
そして、このLINE。
「えっ!ひろし君が・・」私も、正直、ビックリ!
「そうなんよ、ウチは、お父さんも頼りにならんさかい、どーしていいかわからんわ」とまりちゃんは悩んでいました。
子供のLINE見たらあかん
その時、「まりちゃん、なんぼなんでも、息子のLINE、見たらまずいんちゃう?息子いうても、プライバシーもあるし。母ちゃんにそんなん見られたら、家出したくなるで~。そりゃ、アカンよぉ~」と夫が。
「中学校1年生やもん。そんなん、フツーのことやで。女の子に全く興味を示さんっていうのも、それはそれで親としては別の心配も出てくるしなぁ」
「なるほどなるど・・」と内心頷く私。
なぜか突然、作家の佐藤愛子さんの顔が浮かび、彼女も、「そんなことで親がオタオタすることはない!やらせておきなさい!」というに違いない・・。
そんなお気楽な気持ちで、事の成り行きを見守っていたところ、まりちゃんが胸の内を話し始めました。
いじめや事件に巻き込まれたら・・・
「そうなんよ~、アカンとは思ってるんやけど、もし何かあって、親が気づいとったら防げたのにってなったら、それも辛いし・・」
まりちゃんは、当地の中学校でも、ここ数年いじめの問題が表面化し、荒れているクラスもあること、
保護者のなかには、子供の携帯をチェックしている人もいること、
そういうお母さんから聞かされる情報はかなり衝撃的で、なにかの事件に巻き込まれるのではないかという心配が浮かぶことを話してくれました。
そしてどうやら、まりちゃんにとって学校の先生は、信頼して話ができる対象ではなさそうです。
役立たずの私たち
この時点で、「子供のLINEを見たらアカン」と息巻いていた夫のトーンは急降下。
「そうか、そういう問題があるかぁ・・」
「それはそうやな・・」
「難しい問題やなぁ」と溜息をつくばかり。
事情があって夫に相談できないまりちゃん。その彼女が頼りにしてくれているというのに、全く役立たずの私たち。
時代は変わる
男の子を育てたことがあるとはいえ、もうずいぶん昔のこと。
携帯やスマホはもちろんなく、居間の家電が唯一の通話手段。
電話の声は筒抜けでプライバシーなんてあったもんじゃないという時代の子育てです。
それに、育てたと言えるかどうか、寝る間も惜しむ超多忙な毎日で、子供たちに食べさせて「安否確認」することだけで精一杯。
甚だしく手抜きの育児でした。
自分たちの経験なんてほとんど役に立たない・・・。
そんなこんなで小一時間。
まりちゃんの悩みをただ聞くばかり。
「じゃ、明日の運動会。お弁当、美味しいの作るね!」
かろうじて最後に出た言葉がこれとは、我ながら情けなく、今という時代の子育ての複雑さを嘆く還暦夫婦でした。
目を通していただきありがとうございました。
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