還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

移住後の暮らしに自分たちの価値観を持ちこまない

昨日は、穏やかなお天気に誘われて、外出。

市内のうどん屋さんで、お昼ご飯をいただきました。

そのお店は、全国展開のチェーン店ではなく、市内に3店舗を構えるセルフ方式のうどん屋さん。

お出汁と揚げたての天ぷらが美味しくて、お気に入りのお店のひとつです。

 

まだうどんが、あと5分ほど待ってもらえますか

せっかちな私たちがお店に到着したのは、開店の5分後。

ところが、「すみません、まだうどんが茹で上がらないので、あと5分ほど待ってもらえますか」とのこと。

天ぷらも、揚げている最中でした。

次第にお客さんの列が延び、「うどん、まだなんだって」そんな声が、伝言ゲームのように後ろへと後ろへと送られていきました。

私たちも、別に急いでいるわけでもなく、店員さんのうどんを茹でる箸さばきをみながら、待つことにしました。

 

お客さんの前で新人教育

その時、カウンター内にやってきたのは、2人の若いバイトらしき女性スタッフ。お客さんが列を作って待っているその目の前で、一人の女性が、もう一人の女性に教え始めました。

三角の油揚げの入った鍋のフタをあけ、「大盛のオーダーが入ったら、こっち、小の場合は、こっちね」

そして、出汁のお鍋のフタをあけ、「かけ小の場合は、出汁はこのお玉1杯、かけ中の場合は、これくらい・・」

今日から初めて働く新人スタッフに、先輩が、事細かく教えていました。開店後、お客さんの前で。

 

ちょっと昔の私たちだったら

二人でうどんを食べながら、「当日の朝に教えるんだね・・」と私。

夫は、「まっ、そういうこともあるんだな」と軽くスルー。

移住直後だったら、

私と夫の頭のなかには、?マークがいくつか点灯。

「新規開店したお店ではなく、もう何年も営業を続けているというのに、うどん屋で開店時にうどんが間に合わないっていうことがあるんだ・・・」

「新人教育のシステムはないのかな」

「あんな、お客さんの前で言われても覚えられないんじゃない。マニュアルがないと、きっとダメじゃない」

などと、エラソーに知ったかぶりをして、非難がましくまくし立てていたに違いありません。

 

自分たちの感覚、常識を、ここでの暮らしに持ち込まない

でも、移住してから時が経ち、自分たちの感覚、常識を、ここでの暮らしに持ち込むことはやめました。

考えてみれば、土地の人は、誰も困ってはいないのですから。

うどんが茹で上がるのに5分かかろうと、目の前で新人教育を始めようと、取り立てて問題にするようなこともなく、ゆったりと物事は進んでいくのです。

 

3分おきに発車する山手線に飛び乗ってホームの階段を駆け上がり、1分の遅れも許されないような暮らしが長かった私たち。「時間管理を厳重に」が合言葉でした。

そんな暮らしを卒業してここへやって来たのに、すぐには頭の切り替えができなかったように思います。

でも、ずいぶんとここの暮らしの空気感に馴染んできたなと思えた昨日の出来事でした。

 

 

 

 

 

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