還暦からの再起動

お料理レシピ、時々、遠距離介護や病気との付き合いなども。人生の下りを楽しむ還暦女子の日常です。

男子フィギュア。選手の活躍を見た夫。20代前半にピークを迎える人生ってどうなんだろうと呟いた。

オリンピックの男子フィギュアスケート、選手の皆様の演技は、本当に圧巻でございました。

普段、フィギュアスケートをほとんどみない夫と私も、今日ばかりは、テレビの前で神妙な面持ち。

羽生、宇野両選手の演技は、息をするのも忘れそうになるほど、手に汗握って拝見しました。

「おめでとう、そしてありがとう」

そう、声をかけておりました。

 

それにしても、このリンクに立つまで、どれほどの困難があったことか。

羽生選手の右足は、未だ悲鳴を上げて続けているようですね。

いったい、選手たちは、何度身体を氷に打ち付け、どれほどの痛みを味わってきたことでしょう。

身体の痛みばかりではなく、不安や苛立ち、焦り、恐怖、逃げだしたいほどの重圧、そして孤独。

心の痛みとも、日々を共にしてきたに違いありません。

 

それなのに、羽生選手が語ることは、ほとんどが周囲への感謝や気遣いの言葉で、謙虚というほかはありません。

筆舌に尽くせないほどの努力、そして内面での闘いがあったはずなのに、

「応援してくださった方のおかげです。応援してくださった方のおかげで良い演技ができました」

「ただただ感謝です」

そう語る23歳の彼。

人間としても、何かすでに成熟しきっているような発言でした。

 

年齢ばかり重ねて、少しも成熟の域に達しない私たち還暦夫婦は、

「すごいねぇ。何だか、すごすぎない?」と顔を見合わせるばかり。

衣装といい、華奢な身体つきといい、お顔立ちといい、アニメの世界から現れたフィギュアのような羽生選手。

「凄すぎて、ひょっとしたら、人間じゃないかもよ~」

冗談半分に、そんな言葉も飛び出しました。

 

さてさて、歓喜に包まれた中継が終わり、安堵とともにコーヒータイム。

「まぁ、でも、20代の前半にピークを迎える人生ってどうなんだろうね」と夫。

あんなに「アドレナリンが出まくり」の強烈な体験をしてしまうと、その後の人生、何をしても物足らなく感じてしまうんじゃないかというのです。

「もちろん、金メダルは素晴らしいけれど、これから彼の人生は長いからなぁ」とまるで、息子をみるように呟いていました。

 

なにをもって人生のピークを測るのか、自分に向けられた世界中の人々からの歓喜と祝福を指標にすれば、ピークは、短い競技者人生に限られるかも。

でも、アスリートとしてのピーク、仕事上のピーク、プライベイトのピークなど、いくつかのピークが山のように連なって、人生は続いていくのでしょう。

人生100年時代とも言われる今、本当にこの先の人生は長くなっています。

オリンピック中継を観ながら、いま、活躍する選手たちがどんな人生を送っていくのか、そんなことにも思いを馳せています。

 

 

目を通していただきありがとうございました。

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