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還暦からの再起動

リタイア後に田舎暮らしを始めた還暦女子。それなりの「人生の旬」を綴ります。

88歳父の食欲と老い方の心得

先日帰省した時のこと。

午後、姉夫婦、父親の3人と、母親の入院する病院で合流。

病室の母を見舞った後、早めの夕食を共にすることになりました。

 

ビッグカツ定食を注文

入ったのは、父親の指名によるトンカツの専門店。

父は、座るなり生ビールを注文し、その後ゆっくりメニューを吟味して、「ビッグカツ定食」を頼みました。

運ばれてきたのは、草履ほどの大きさのあるロースカツと山盛りの千キャベツ。そして、豚汁。それに、小丼に盛られたご飯と小皿に入ったすり下ろした長芋に漬物。杏仁豆腐のようなデザート少々。

それは、外で身体を激しく使って働く若者には丁度良い量かも知れませんが、88歳の高齢者には、余りにも多すぎる量。

 

歯がないことなどもものともせず

「お父さん、無理しなくてもいいよ。食べられなかったら、残してね」

そう声をかけて、父親が食べるのを見守っていましたが、父親の箸は止まることなく、ほぼ完食!

父親は、50代半ばから急に歯が弱くなり、前歯は4本抜けたままです。

奥歯も、残っているのは数本のみ。

何度も入れ歯を作りましたが、どうしても慣れることができず、放置したまま。

歯医者さんからは、「ほとんど丸飲みの状態」と言われましたが、結局、入れ歯なしでの生活が続いています。

その父親が、草履のようなトンカツをなんと完食。

もちろん、娘の私よりもしっかり食べ、さらに、日本酒2合もいただき、上機嫌。

姉によれば、この日はランチも外食。

天ぷらときしめん鉄火丼、小鉢の煮物のセットをほぼ平らげ、食後にコーヒーと小さなケーキも食べたとか。

驚くべき食欲です。

 

食欲の底にある「生への執着」

父親の食欲には、本当に驚きました。

「なんだ、私たちよりよく食べるんだ、お父さん」

「あれだけ食欲があれば心配ないね、生きる気満々だね、お父さん」

父親の食欲の底にある「生への執着」。それを感じて、頭を垂れるしかないという気持ちになりました。

自分が88歳になったとき、これほどの食欲、そして、これほどの「生きたい」という気持ちを保っていられるかどうか、全くもって自信がありません。

 

ほんの少しでいいからエレガントに老いたい

それにしても、父親の食べている姿には圧倒されました。

眼鏡をかろうじて鼻にひっかけ、犬のように食器に顔を近づけ、上あごと下あごを微妙に位置を変え、擦り合わせながら食べる姿は、我が父親ながら、とても美しいとは思えませんでした。

娘としては、何だか胸が詰まって、こちらの食欲も失せがち。

誰もが通る道だとはわかっています。

ただ、ほんの少しでいいから、できればエレガントに老いたいものだと思わざるを得ませんでした。

 

 

 

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